基礎知識

在庫管理とは?
仕組み・やり方の基礎をわかりやすく解説

目次

 

在庫管理は、製造業や小売業など有形商材を取り扱う企業では基本的な仕組みであり、その仕組みややり方を理解することは重要です。
本コラムでは在庫管理の仕組みの基礎を解説するとともに、在庫管理を自動化する在庫管理システムを導入するメリットについてご紹介します。

在庫管理とは

在庫管理とは?業務を効率化する方法とメリット​

在庫管理とは、製品や原材料など企業活動を行うために必要な品物を、何処にいくつあるのかを把握し、必要となる量を必要なとなった場所へ供給出来るように行うルールや活動のことをいいます。

在庫管理の目的は、適正在庫を保つことにあります。適正在庫を保つことで、企業の利益を増やすことにもつながります。

在庫管理の仕組みを図解で解説

在庫管理の仕組みは、基本的には「入庫」「保管」「出庫」の3つのプロセスで構成されています。この3つのプロセスを適切に管理することで、在庫の最適化が実現します。
それぞれのプロセスについて図解を用いて解説します。

1.入庫

商品が入庫元から倉庫に入ってくるプロセスを「入庫」と呼びます。
商品を仕入れる際に状態や数量を確認し必要に応じてデータの入力を行います。
このプロセスを適切に行わないと在庫の過剰や不足、紛失などの問題が発生する可能性があります。

2.保管

倉庫で商品を保管するプロセスを「保管」と呼びます。
保管のプロセスでは、大きく分けて、商品の品質管理と数量管理の2つがあります。品質管理では、温度、湿度の管理、賞味期限、消費期限の管理などがあります。数量管理では、倉庫の商品の正確な数量を把握し在庫切れや過剰な在庫を防ぎます。

3.出庫

商品が倉庫から出ていくプロセスを「出庫」と呼びます。
出庫の過程を正確に管理することで在庫の数量を適切に管理します。出庫により在庫が減ると、また入庫のプロセスにより商品が補充されます。

在庫管理を行う上で重要な考え方

在庫管理を行う上で、以下の考え方が重要となります。

1.在庫回転率
在庫回転率とは、自社の在庫が一年を通じてどれだけ入れ替わっているかを示したものです。数値が高いほど、商品の出入りが多く、低いほど、商品の出入りが少ないことを示します。
在庫回転率は、在庫推移を時期別で把握することができるため、販売サイクルが機能しているのかを確認するための重要な指標となります。

2.在庫回転期間
在庫回転期間とは、自社がその在庫をどれだけの期間保有したか、または在庫を全て販売するためにどれだけの期間がかかったかを示したものです。
在庫回転期間の数値が低いほど、在庫期間も短いため、商品の需要が高いなどを把握することができます。

3.リードタイム
在庫管理のプロセスにおける、必要となる所要時間をリードタイムと呼びます。リードタイムは短い方が良いとされているため、リードタイムを短縮することでお客様へのアピール力が増し、商品の在庫管理コストの削減が可能となります。

4.交差比率
交差比率とは、在庫商品を販売した際に、どれだけの利益を上げているのかを示したものです。
在庫回転率が高くても、利益の少ない商品の場合、ビジネスとして健全だとはいえないため、交差比率を示すことで、商品の適正在庫の把握にもつながります。

5.棚卸し
棚卸しは、期末に商品や製品の数量を確認し、データと一致しているのか確認する業務のことです。棚卸し作業を経て、棚卸資産にかかる決算整理仕訳を期末に切る必要があり、非常に重要な作業となります。

在庫管理の業務課題

在庫管理とは?業務を効率化する方法とメリット_在庫管理の業務課題

在庫管理のよくある業務課題としては、以下のようなものがあげられます。​

課題1 有効な在庫の把握が難しい

在庫があるうち、受注済みで未出荷状態であるものの把握は、システム化がされていない状態であると、担当者間の認識合わせが難しく、納期回答や在庫確保に手間がかかり、意図せぬ在庫不足を引き起こすこともあり得ます。
また、発注残(入荷予定)や受注残を加味した管理を行えれば、さらなる有効な在庫の把握が行えますが、システム化を行わないで、紙やエクセル(Excel)での帳簿管理をするのは、手間と精度の問題が発生しやすくもあります。​

課題2 在庫情報の精度が低く、管理業務に手間がかかる

業務における、販売や仕入に伴う出荷・入荷、保管場所の変更による在庫の移動、その他理由による入出庫など在庫が変化する頻度が多いため、それにともないミスも多くなります。
在庫情報に誤りがあると、想定外の在庫不足による納期延期やそれよる機会損失、過剰在庫によりさばききれず品質保証のため廃棄などによりロスが生じ、生産性が低下してしまいます。

課題3 適切な在庫数を把握できず、過不足が発生する

適切な在庫数を把握するための一つの手法として過去の実績を元に予測をする方法などがありますが、実績の集計を取るのもシステムがない場合、簡単なことではありません。どの時期にどのぐらい必要になるのかの需要予測をもとに適切な発注業務をおこなわないと在庫に過不足が発生してしまいます。

在庫管理を効率化するメリット

在庫管理を効率化するメリット​

在庫管理を行うことによるメリットをいくつか以下で解説いたします。

メリット1 生産性の向上

在庫管理を行うことより、無駄な時間が減り、納期を短縮することが出来るため生産性が向上します。

メリット2 在庫過不足の減少

在庫不足を回避することを重視しすぎると、余剰在庫が発生してしまい、現金が無用に減ってしまいます。
余剰在庫を意識しすぎると、在庫不足が発生し、機会損失が発生し、売上が減ってしまいます。
在庫管理をすることで、適切な在庫の維持がしやすくなり、資金繰りも行いやすくなります。

メリット3 倉庫スペース確保と商品ピッキングの効率向上

倉庫内の整理を行い、棚番を管理することなどにより、スペースを有効活用し、商品をピッキングする際の効率が高まります。

在庫管理のやり方

実際に在庫管理を行うには、どのようなやり方があるのでしょうか。今回は代表的な4つのやり方を紹介します。それぞれのやり方にはメリット・デメリットがあるため、自社の目的などに合わせて、検討することをおすすめします。

1.現品管理
現品管理とは、商品そのものを管理する在庫管理のやり方のことです。現品管理で在庫管理を行う場合は、位置や品目、量などの情報を整理、倉庫などの保管場所に情報を付与することで、効率的・正確に行うことが可能となります。

2.エクセル(Excel)管理
商品の在庫を情報化し、それらをエクセル(Excel)で管理するやり方です。在庫管理システムなどを導入せずとも、在庫管理ができるため、エクセル(Excel)で在庫管理を行っている企業も多くあります。

3.バーコード管理
バーコードを使用し、入出庫の最新のデータをその場でシステムに反映し、データとして管理・共有することができます。またExcel(エクセル)管理の場合、手入力で対応をする必要がありますが、バーコード管理の場合、バーコードでデータを読み取るだけのため、人的ミスの削減や業務効率化に繋がります。

4.システム管理
在庫管理システムを導入し、在庫を管理するやり方です。業務の自動化やデータの一元管理などが実現でき、昨今さまざまな企業での導入が増えています。
またクラウド型の在庫管理システムもあり、リモートワークなどの働き方改革を目的として運用も可能となります。

エクセル(Excel)で行う在庫管理のメリット・デメリット​

Excelで行う在庫管理のメリット・デメリット​

エクセル(Excel)での在庫管理の運用に関しては以下のようなメリット・デメリットがあるため、自社の状況に合わせて、実施することが重要です。​
まずはメリットからご紹介します。エクセル(Excel)での在庫管理を行う利点としては、以下があげられます。​

1.馴染みのあるツールなため簡単に始められる​
2.入力・編集・管理がしやすい​
3.低コストで始められる​

1つ目のメリットは、エクセル(Excel)は既に企業で利用されているケースが多く、またビジネスパーソンであれば、エクセル(Excel)の使い方を理解している人が多いため、すぐに利用を開始できることがあげられます。​
2つ目のメリットは、紙などの在庫管理表と比較して、入力・編集・管理がしやす点です。エクセル(Excel)での在庫管理を行う場合、紛失リスクも少なく、バックアップも取れるため、管理も非常に楽に行えます。​
3つ目のメリットは、コスト面です。エクセル(Excel)の場合、すでにインストールされているケースが多く、追加費用なしですぐに始められます。​

在庫管理を紙で行っている企業などは、エクセル(Excel)での在庫管理を検討してみてはいかがでしょうか?一方でエクセル(Excel)での在庫管理には、メリットだけではなく、デメリットもあります。具体的には、以下があげられます。​

1.大規模な管理には不向きである​
2.データの容量に限界がある​

エクセル(Excel)で在庫管理をする際の一番のデメリットとしてあげられるのは、大規模な管理に不向きな点です。全国各地に拠点がある場合など、膨大な量の在庫をエクセル(Excel)で管理するのは難しく、また在庫管理をする担当者が拠点ごとに複数人いる場合は、同時での操作や保存が出来ないため、運用が大規模になる場合は、エクセル(Excel)は不向きです。​
データの容量についても、データ数が徐々に多くなってしまうとエクセル(Excel)ファイルの動作が重くなり、編集時や保存時など、フリーズしてしまうケースも多く、業務時間が増えてしまい、生産性の低下にもつながります。​

Excelを活用した販売管理の課題とは?販売管理システム導入のメリットも紹介

在庫管理システム導入のメリット

在庫管理システムを導入するメリットは以下の通りです。

1.在庫情報の正確な把握
在庫管理システムを使用することで、リアルタイムで在庫の状況を把握することができます。これにより、商品の在庫数や保管場所を把握することができ、在庫不足や過剰在庫を防ぐことができます。
また、製造業では、工場とオフィスで同じシステムを利用することで、在庫状況の認識のずれを防いだり、無理のない納期設定につながったりします。

2.在庫の最適化
在庫管理システムの中には過去の売上実績から需要予測を行い、在庫数の最適化を進める機能が搭載されたものがあります。これにより、需要の変動に適応し、在庫を最適なレベルで維持することができます。在庫の最適化により、在庫コストの削減やキャッシュフローの改善が期待できます。

3.在庫の追跡と管理
在庫管理システムを使用することで、商品の入庫や出庫、移動などの履歴を追跡することができます。これにより、商品の流れを正確に把握し、在庫の管理を効率化することができます。

4.在庫の品質管理
在庫管理システムは、商品の賞味期限やロット番号などの情報を管理することができます。これにより期限が切れや不良品の発生防止につながります。

販売管理システムの導入で在庫管理を効率化

販売管理システムの導入で在庫管理を効率化​

在庫を管理するためには、エクセル(Excel)や紙等での管理が出来ないわけではありませんが、前述のような問題を解決するためには、在庫情報を適切に更新、共有する必要があります。一方で在庫管理の情報は集約が難しく、反映のミスも発生しがちです。​
販売管理システムを導入すれば、受注、出荷、発注、入荷、移動、出庫、入庫、棚卸といった在庫に関連する情報は一元管理され、各取引の伝票が入力されれば在庫情報に反映されるため、台帳別の情報の2重入力、2重管理などの無駄が減ることにより効率が向上します。
現時点の倉庫にある在庫数だけではなく、受注情報と発注情報(入荷予定)を加味した未来在庫の把握も可能です。
商品が複数の倉庫のうち、どこにあるのかといった検索が可能となるため、在庫の有効利用も行いやすくなり、商品のピッキングも行いやすくなります。
過去の売上データや仕入データなども蓄積され、利用しやすくなるため需要予測も立てやすくもなります。

販売管理システムとは?選定のポイントや業種別の事例を紹介

まとめ

在庫管理における多く問題は、販売管理システムを導入することにより、解決や改善を行えます。
在庫管理をエクセル(Excel)や紙で管理している企業は前述であげたメリットを参考に、販売管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか?​
また、今回あげたメリットは多くの製品で実現できるものですが、製品によってはさらなる課題を解決できるものや、価格を抑えるとともに機能が制限されているものもございます。

導入にあたり、数多ある製品からの検討にお困りで有れば、是非システムクレイスの導入支援サービスにお声がけください。

30年のシステム導入・運用実績を誇る
システムクレイス

システムクレイスでは、30年にわたりシステム導入・運用のご支援を行ってきた経験をもとに、中小企業にとって最適な販売管理システムを選定いたします。

専任のSE担当者が現在の販売管理業務における課題の把握、業務フローの整理など、販売管理システムを導入するうえで、抑えておくべきポイント、ご要望の詳細をお伺いした上で、最適な販売管理システムの選定を行う無料相談も行っていますのでお気軽にご利用ください。

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