基礎知識

受発注業務とは?効率化実現のためにはシステムの導入が必要

目次

1.受発注業務とは?各業務のフローを解説

受発注業務とは、企業が顧客からの注文を受け、商品やサービスを納品するまでの一連のプロセスのことを指します。一般的には、顧客からの注文を受け取り、仕入先に発注を出し、商品を入荷してから顧客に納品するまでの一連の流れがあります。製造業を例にそれぞれの具体的な業務について解説します。

1)受注業務

1.注文の受付
顧客からの注文を受け付ける業務。注文内容や納期、数量などを確認し、顧客情報の登録を行います。

2.見積書の作成
受注内容に基づいて顧客に提出する見積書を作成。価格や納期、仕様などを明確に記載し、顧客の了承を得ます。

3.外注先への発注
顧客からの注文に基づき、必要な資材や部品などを発注します。

4.作業計画の立案
受注内容に基づき、作業計画を立案します。製造業の場合は製造工程や作業時間、必要な人員などを考えスケジュールを作成します。

5.作業開始
作業計画に基づき、作業を開始します。製造業の場合は製造工程や作業時間、品質管理などを適切に管理し、納期までの完成を目指します。

6.検品・梱包・出荷
製品の品質を検査し、問題がなければ梱包して出荷されます。納期や配送先などを確認し適切な方法で出荷します。

7.請求書の発行
製品の出荷が完了したら、顧客に請求書を発行します。

2)発注業務

1.仕様書の作成
発注したい内容をまとめた仕様書を作成します。仕様書には、品目や数量、品質要件、納期、価格などを記載します。

2.発注先の選定
仕様書の条件を満たすことができる発注先を選定します。

3.発注書の作成
発注書が選定されたら、発注書を作成します。発注書には仕様書と同じように、品目や数量、価格、納期支払い条件、配送方法などを記載します。発注書は発注先に送付され、発注先で受理されたら発注完了となります。

4.納品物の管理
発注完了後は、発注先からの納品を待ちます。納期が遅れている場合は発注先に対して催促などを行います。

5.支払い
納品完了後は、発注先に対して支払いを行います。支払いの管理には、請求書の確認、支払い期限の管理、支払いの実行などが含まれます。支払いが遅れた場合は、発注先に対して催促する必要があります。

2.エクセルで受発注業務を行うメリットデメリット

受発注業務をエクセルで行っている企業は多く、メリットとしては以下の様なものがあります。

1.導入コストがかからない
エクセルはOfficeのライセンスを購入していれば利用可能で、会社支給のパソコンでは最初から導入しているケースがほとんどとなります。
ツールなどと比べると追加の費用負担、ランニングコストがかからないのが利点です。

2.使いやすい
エクセルは直感的で使いやすく、特別なトレーニングなしにほとんどの人が使用することができます。

3.他のシステムとの連携や移行がスムーズ
エクセルは他のソフトウェアやシステムとの互換性が高く、データのエクスポートやインポートが容易です。これにより、他のシステムとの連携やデータの移行をスムーズに行うことができます。

一方で以下の様なデメリットもあります。

1.データの整合性
エクセルはデータの入力ミスや削除、上書きなどによりデータの整合性が失われる可能性があります。また、複数の人が同時に編集すると更にそのリスクは高まります。

2.セキュリティ
エクセルファイルはパスワードで保護することはできますが、それでもセキュリティは万全とは言えません。また、エクセルファイルは容易にコピーされ、不適切な場所に保存される可能性があります。

3.同時作業ができない
エクセルはファイルを複数人で開いて同時に編集することができないことが難点になります。企業規模が大きくなるとファイルの更新頻度も増え、一つのエクセルファイルで管理を行うことが難しくなります。

4.データ量の増加に対応できない場合がある
データ量が増えてくると、エクセルのシートやファイルが増えて管理が難しくなることがあります。エクセルは大量のデータを効率的に処理する能力には限界があります。

5.バージョン管理
エクセルでは複数のバージョンを管理するのが難しく、古いバージョンのデータを取り扱うことが困難になることがあります。

3.受発注業務の課題とは?

受発注業務におけるよくある課題には、以下のようなものがあります。

1)ミスや人為的ミスによる問題

注文数や発注数などの数字の打ち間違いや、商品の誤った納品、遅延などの問題が発生することがあります。

2)コミュニケーション不足による問題

発注元や仕入先、配送業者などの間でコミュニケーションが不足している場合、注文の内容や発送状況などの情報が適切に伝わらず、問題が発生することがあります。

3)在庫管理の問題

在庫が適切に管理されていない場合、商品が欠品してしまうことがあります。また、在庫が過剰になるとコストがかかってしまいます。

在庫管理とは?業務を効率化する方法とメリット

■受発注業務のフローは、以下のようになります。
受注:顧客からの注文を受け付けます。
発注:受注情報に基づいて、商品を発注元から仕入先に発注します。
入荷:仕入先から商品が届きます。商品を検品し、在庫に加えます。
出荷:顧客からの注文に基づいて、在庫から商品をピックアップし、配送業者に引き渡します。
納品:顧客に商品が届きます。
以上のような一連のプロセスを適切に管理することで、受発注業務を効率化することができます。

4.受発注業務の効率化を実現するには?

受発注業務の効率化を実現するためには、以下のような取り組みが必要です。

1)プロセスの改善

受発注業務のフローに沿って、各プロセスにおいて時間や手間を削減することで、効率化を実現することができます。例えば、自動化による受注・発注の処理や在庫管理システムの導入、配送ルートの最適化などが挙げられます。

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2)コミュニケーションの改善

発注元・仕入先・配送業者など関係者間の情報共有が円滑に行われるようにすることで、ミスやトラブルを防止することができます。例えば、情報を共有するシステムの導入や、業務フローの明確化などが挙げられます。

3)データ分析に基づく改善

受発注業務における各種データを分析することで、効率化のための改善点を見つけることができます。例えば、注文数の増減や商品の出荷状況などを分析し、在庫量の最適化や発注量の調整などを行うことができます。

また、受発注業務の効率化を実現するためには、販売管理システムの導入が有効です。販売管理システムとは、在庫管理や注文管理、発注管理などの業務を統合的に管理するためのシステムです。販売管理システムを導入することで、業務の効率化や情報共有の改善、データ分析の容易化などが期待できます。また、クラウド上での利用が可能なシステムも多くあり、業務の効率化に加え、リモートワークにも対応することができます。

5.受発注業務を効率化することによるメリット

受発注業務を効率化することによるメリットとしては以下が例として挙げられます。

1.工数の削減
受発注業務のプロセスが効率化されると、それぞれのタスクにかかる工数が大幅に短縮されます。これにより、他の重要な業務に時間を割くことが可能になります。

2.ミスの減少
システムが自動化され、手作業が減ると、ミスの可能性も減ります。これにより、誤った注文や重複した注文などの問題を避けることができます。

3.顧客満足度の向上
業務プロセスを効率化することで、顧客に対するレスポンス時間を短縮し、より迅速なサービスを提供できます。これにより、顧客満足度の向上につながります。

6.受発注業務の効率化には販売管理システムの導入が有効

販売管理システムの導入が受発注業務の効率化に有効な点は、以下のような部分が挙げられます。

1)業務プロセスの自動化

販売管理システムにより、注文管理や発注管理、在庫管理、配送管理などの業務プロセスを自動化できます。これにより、手作業によるエラーやミスを防止し、業務の効率化が図られます。

2)情報共有の改善

販売管理システムには、各部署の情報共有ができる機能があります。例えば、営業部門と在庫管理部門との情報連携がスムーズに行われ、迅速な発注や配送が可能になります。

3)データ分析による改善

販売管理システムに蓄積されたデータを分析することで、需要予測や在庫管理など、ビジネス上の課題解決に役立ちます。例えば、どの商品が売れているか、どの地域で需要が高いか、いつ在庫が足りなくなるかなど、データに基づく効果的なマーケティング戦略の立案や、適切な在庫管理につながります。

4)リアルタイムな情報の把握

販売管理システムにより、在庫状況や注文の状況など、リアルタイムな情報を把握することができます。これにより、不足在庫の発生や配送のトラブルを防止し、迅速かつ正確な業務遂行が可能になります。

以上のように、販売管理システムは、受発注業務の自動化や業務プロセスの改善、データ分析による課題解決、リアルタイムな情報把握など、業務の効率化に有効なシステムとして、幅広く活用されています。

7.販売管理システムを導入する際のポイント

販売管理システムを導入する際には、以下のポイントに注意することが重要です。

1)導入目的の明確化

販売管理システムを導入する目的を明確にすることが重要です。例えば、在庫管理の効率化、業務プロセスの自動化、顧客情報の一元管理、マーケティング戦略の強化など、企業によって目的は異なります。そのため、どのような課題を解決したいのか、どのような効果を期待するのか、事前に明確にする必要があります。

2)実現したい機能の洗い出し

販売管理システムには、在庫管理や発注管理、売上管理、CRM(顧客関係管理)など、様々な機能があります。そのため、導入前に実現したい機能を洗い出し、必要な機能を選定する必要があります。また、業務内容や規模、業種によって必要な機能は異なるため、その点も考慮する必要があります。

3)システム選定の検討

販売管理システムには、企業によって必要な機能や業務に適したシステムが異なります。そのため、システム選定は重要なポイントとなります。導入前に、導入したいシステムの機能や価格、保守サポートなどを比較し、最適なシステムを選定する必要があります。

4)社員の教育・トレーニング

販売管理システムを導入する際には、社員の教育やトレーニングが必要です。システムの使い方や操作方法を、十分に理解した上で業務に活用することができるよう、教育やトレーニングを実施することが大切です。

5)データの移行・連携

販売管理システムを導入する際には、既存の業務データを新しいシステムに移行する必要があります。また、既存のシステムや他のシステムとの連携も必要な場合があります。そのため、データ移行やシステム連携に必要な作業や手順を事前に確認し、スムーズな導入を行う必要があります。

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8.まとめ

販売管理システムの導入により、受発注業務の効率化や課題の解決に加え、在庫管理や顧客情報管理など幅広い業務において役立つことがおわかりいただけたかと思います。導入する際には、導入目的や業種に合わせた機能やシステムの選定、適切な導入計画やトレーニングの実施など、慎重かつ綿密な準備が必要です。
販売管理システムの導入に関するお問い合わせがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。

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専任のSE担当者が現在の販売管理業務における課題の把握、業務フローの整理など、販売管理システムを導入するうえで、抑えておくべきポイント、ご要望の詳細をお伺いした上で、最適な販売管理システムの選定を行う無料相談も行っていますのでお気軽にご利用ください。

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